『声なき声』刷り上がりました。声なき声への思い

世界の果てのあなたへ

『声なき声』刷りあがりました。

本が刷りあがったら、感動すると思ってましたが、手をかけた子どもが遠いところへ旅立ったようで、なぜだか寂しい気持ちになりました。

この3年間、ひたすら原稿を書いていた気がします。

アルツァフやウクライナの人たちとの約束を果たすため、自分の思いを消化するため、編集からの赤を修正するため、文章が少しでも良くなるために、大好きな作家、スティーヴンキングや川上未映子さん、マークトウェインのような文章が書けるように、憧れの小松由佳さんの『人間の土地へ』のような、人の心を震わせるような本が書けるように、ただひたすら原稿を書いていました。

晴れの日も、雨の日も、雪の日も、真夏の死ぬほど暑い日も、真冬の凛と寒い日々も、ウクライナ取材とアルツァフ取材で、PTSDのような症状になり、夜、死体の夢を見て、遺族の方が泣いている夢を見て、父の死体の夢を見て、夜中に叫んで起きたり、頭が割れるような偏頭痛で動けなくなったときも、職場でお局に「生意気な男はへし折ってやる」と言われ虐められた日々も(反抗はするのだが)、貯金残高がなん度もゼロになったときも、友達と喧嘩別れしたときも、年配のジャーナリストに「お前はダメだ」と嫌味を言われたときも、ただ、取材で出会った人たちのことを思い出し、原稿を書いていました(人生ってやなことばかりですね)。

何度も、何度も原稿を書き直しては、これは違う、こうしたほうがいいと日々葛藤しながら、仕事が終わった後、夜遅くまで原稿を書いていました。

もう、3年も書いており(原稿に入れた過去の日記も含めたら8年か)、10回以上は書き直しました。20回以上は、読み直したでしょうか(20回も読み直すと、気が狂いそうになります。特にブチャ虐殺やアルツァフの描写は辛くて)。

そんな、手を掛けてきた我が子(声なき声)は、今では一人で歩き始め、書店へと旅立とうとしています。親としては、我が子が、書店という大海でも進んでいけるように、最後までサポートしていこうと思います。

そして、我が子が、わたしの代わりに、アルツァフやウクライナの人々の「声なき声」一人でも多くの人々に伝えると信じています。

もうすぐ旅立つ「声なき声」の応援をよろしくお願いいたします。