ナゴルノ=カラバフ難民取材 2023 かき消された声 まとめプレゼン

英雄ミカエルは戦死した。村や、故郷のアルツァフ(ナゴルノ=カラバフの未承認国家)仲間を守るため。ミカエルは目に障害があり、従軍する必要はなかったが、村や家族を守るため兵士に志願。負傷した同僚を助けようとして爆撃で命を落とした。ミカエルの妻は、故郷のアルツァフ共和国、愛する夫、家、以前の平穏な暮らし、全てを失った。 アルメニア Armenia

2023年のナゴルノ=カラバフ取材内容をまとめたプレゼン

ただいま、アルメニアで、故郷を追われたナゴルノ=カラバフ難民の人々の取材を終え、帰国致しました。

ナゴルノ=カラバフの記事を掲載していただけるメディアを探しております。

ナゴルノ・カラバフ 未承認国家アルツァフ共和国

同盟国ロシア軍に裏切られ、アルメニア軍に見捨てられ、アゼルバイジャン軍に全てを破壊されました。

しかし、日本のジャーナリストは誰もこの場所に来ません。

弱者に寄り添うというジャーナリストも記者も、2ヶ月前のナゴルノ・カラバフへのアゼルバイジャンの軍事侵攻後、まだ誰も来ていませんでした。

いつも弱者の権利を叫ぶ活動家も、誰も彼らのことを叫びません。

2020年には15万人ほどの人がナゴルノ・カラバフに住んでいましたが、皆、全てを失い、故郷を追われてしまいました。しかし、彼らの悲痛な声は、かき消されてしまいました。

2年前も私は彼らを取材しました。100人以上のカラバフ難民と対話しました。

しかし、戦争で全てを失った彼らの叫びは、どこにも伝えられませんでした。

確かに、ナゴルノ=カラバフは未承認国家でしたが、ずっと暮らしていた多くの人たちにとっては、国でした。

一部のメディアでは、今回のアゼルバイジャンの軍事侵攻は、対テロ作戦と報道されました。

しかし、ナゴルノ・カラバフの人は、ある人は先生として、ある人は家畜を育て、ある受験生は大学受験のために一生懸命勉強し、子供たちはザクロの木が生えた庭で家族とピクニックをして笑っていました。彼らのどこがテロリストだというのでしょうか?

しかし、15万人もいたナゴルノ=カラバフの人々は、2020年の44日間戦争、今年9月のアゼルバイジャン軍のアルツァフ侵攻により全てを失ってしまいました。

家も、家畜も、おもちゃも教会や先祖のお墓、思い出、大切な家族、優しいパパ、全てです。

しかし、ウクライナやイスラエル、ガザと違い、ナゴルノ=カラバフ難民の方々のことはまるで報道されません。

誰も報道しない、誰も耳を傾けない彼らの声はどこへ向かうというのでしょうか?報道とはなんでしょうか?彼らの声こそ伝えなければいけないのではないでしょうか?戦争が何を奪い、破壊するのか、それを伝えるために。戦争の悲惨さ、愚かさを伝えるために。